ダーリー・ダイアリー

僕だから書けること

ル・マン24時間レースの熱い5つのストーリー

どうも、上司のバケーションは毎年、ル・マンを野郎友達と観戦しに行くことから始まるらしいです。ダーリーです。

そう、ル・マンはヨーロッパ中のモーターファンのお祭りなんです。ル・マンというフランスの町に、ドイツやイギリスなどから大勢の紳士が集まり、自分の車を自慢し(特にイギリス紳士)、キャンプをし、バーベキューとかしながら酒を飲むフェスなんです。最高じゃないですか。

僕はテレビで観戦です。全部は観ないですけど、ちょうどトヨタのマシントラブルを目撃し、悔しくって、悲しくって。

今日は、そんなル・マンの熱い歴史を少し紹介します。

(以下写真はイメージです。当事者とは関係ありません。)

1.最強の父ちゃん、息子の力を借りつつほぼ1人でル・マン優勝

Father

1950年。まだル・マンで1人による最長運転可能時間の規制が無い時代に、ル・マン市場もっともぶっ飛んだ戦略で優勝したファミリーがいます。

ロジェール家 from フランス

なんと、45歳父ちゃんルイ・ロジェール、ル・マンほぼ1人で完走。23時間54分2秒、256ラップの大業を果たしました。朝のトイレとバナナ休憩の間、息子ジャンルイ・ロジェールが2ラップを代わりに走行。

結果、2位とは1ラップ差で優勝。つまり、息子もなかなかいい仕事をしたってことですね。

 

2.あと一歩で夢叶わず…ル・マンに1人で挑戦

driver

2年後の1952年、今度は1人でル・マンに挑戦した男、ピエール・ルヴェー。いや、1人で戦いにいったつもりでもなかったのでしょう。なぜなら代わりのドライバーだって連れてきたんです。しかし、エンジン回転メーターが動かず、これは自分じゃなきゃ走れないと思い、ずっと交換を拒みました。

残り1時間15分に悲劇はおこります。クランクシャフトのベアリングのボルトのゆるみ。偉業はあと一歩のところで達成できませんでした。

別談ですが、彼は1955年。ル・マンで83名の観客、関係者死亡の大惨劇が起こった時のドライバーです。いきなり突っ込まれた車のせいで彼の車はぶっ飛び、大被害を起こし、彼も亡くなってしまいました。とても可哀想な最後だと思います。

 

3.ル・マン最速は1985年から更新されて無いんです

My Peugeot 405 Mi16

ル・マンは各社が優勝を競うレースなのはもちろんなのですが、歴史ある自動車のお祭りでもあります。1985年、ル・マンの名物の超ロングストレート「Mulsanne Straight」にスピード出しすぎを防ぐためのシケインができる2年前、楽しいことを考えちゃったメーカーがいました。

プジョーです。プジョール・マン最速のスピードを出すことに全力をかけました。そして結果はなんと

時速407キロ

これは、今のコースの形状上、上回るのは難しいでしょう。

しかし、さすがマーケティングの天才、フランスメーカー。また面白いこと考えちゃいました。

「最近プジョー405というモデルの車が出たから、最高速度は405だったということで」。

これがフランス人ってやつなんですね〜

ということで、時速405キロだと当時は報道されたのでしょうか?ネット上には405キロのレコードがたくさん見つかります(笑)

 

4.日本初、しかも全く新しいコンセプトのエンジンでのル・マン優勝

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ロータリーエンジンという、全く新しいコンセプトのエンジンでル・マンに挑戦し続けた、変わり者メーカーがいます。そう、日本のマツダです。

1990年、ル・マンがなんとロータリーエンジンの使用許可を最後だと決めました。しかし、残念ながら途中リタイア。しかし1991年、レギュレーションの変更にどこのメーカーも間に合わず、ロータリーの使用許可が1年長引きました。そして、悲願の日本メーカー初優勝。ロータリーエンジンの最初で最後の優勝になります。

ちなみにこのロータリーエンジン。耐久性は1つの弱点です。それでも爆走を続けていた車両に、エンジニアが自信をもって「我々のエンジンは壊れない!」と強行戦略を実行。

最後のピットイン。絶好調のドライバー、ジョニー・ハーバートは続行を決め、最後まで戦いました。その結果、ゴール後は脱水症状で表彰台にも上がれず。チームの一人ひとりが全力で戦った成果なんですね。

 

 5.ル・マンが続く限り、伝説は続く

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2016年、トヨタが初優勝を成し遂げるとみんなが思った最後の最後でマシントラブル。ポルシェに抜かれ、全世界が泣きました。

2017年、トヨタ小林可夢偉が予選でル・マン史上最速タイムを更新。今度こそ、トヨタ優勝か!楽しみにしてました。

しかし、この記事を書いている最中ですが、またもやマシントラブル。1位を走っていたマシンは致命的なトラブルで優勝決定戦から脱落。なんて厳しい世界なんだ、ル・マン。参加しているドライバー、エンジニアがどんなに悲しい気分だか…

しかし、ル・マンが続く限り、トヨタが挑戦する限り、これはストーリーの1部でしかないのです。悔しいですが、次は絶対ある。